2011年08月23日

パークコート神宮前-割高感を指摘された定期借地物件がリーマンショックによりさらに苦境に、不動産プチバブルの継続を前提としたPFI事業参加が原因か

★ 東京メトロ千代田線「明治神宮前」駅より徒歩6分、JR山手線「原宿」駅より徒歩8分、東京メトロ副都心線「北参道」駅より徒歩10分、東京メトロ銀座線「表参道」駅より徒歩12分の場所に立地する三井不動産レジデンシャル分譲・竹中工務店施工・地上16階地下3階建・総戸数385戸の『パークコート神宮前』です。

 平成21年1月の竣工から2年半あまりが経過しました。緑に囲まれて、華やかな表参道にも近く、原宿警察署の隣という恵まれた立地にありながら、定期借地物件であることと、地代を考慮すると、本ブログの前回記事にも書いたとおりかなり割高な物件となることから、当初から苦戦が予想されていました。

 これに加え、平成20年秋の販売開始時のリーマンショックで不動産価格が急落してバブリーな価格設定が完全に裏目に出たことと、平成20年12月に発覚した一部棟の既存不適格化など、不運な事態が相次ぎ、ただでさえ売りにくい物件の売れ行きがさらに鈍ることとなりました。

 販売側では賃貸として貸し出す投資用物件としての購入をアピール、確かに定期借地物件はむしろ投資利用に適した性格を有していますが、これが総体として成功しているかどうかはよくわかりません。入居時の平成21年春には約半数の住戸に買い手がつかず、といった状態でした。

 現在、公式HP上の販売住戸は10戸となっていますが、実際どれだけ売れ残っているかは不透明です。昨年あたりから15%〜20%の値引きがされているとの噂も流れるようになりました。

 この事業は、原宿警察署の建設、維持管理と一括して募集したPFI事業のコンペの一環だったのですが、その入札の性格上、公に有利な条件を出した本事業者が落札し、そのしわ寄せが最終的には本マンション購入者に来るという、そもそもの仕組みでした。

 不動産プチバブルが続くことを前提にきちんと売り切れる、と踏んで三井不動産は札を入れたのでしょうが、バブルが崩壊すると、その矛盾が一気に露呈します。その意味でも、本マンションは不運続きの物件なのかもしれません。

公式ホームページ ⇒パークコート神宮前

百年後のヴィンテージマンションへ

posted by フェアリンク at 21:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 完売物件