池袋界隈の中で、閑静な住宅地を形成する目白と池袋の間に拡がるゾーン、都内で希少な第1種文教地区にも指定されている地域に誕生する本物件は、南向き公園の閑静な住宅街立地で購入検討者の関心は高く、昨年5月時点で資料請求が2,000通を超え、6月には1期でほぼ完売し、かつ、高倍率となる予測が立てられる程人気でした。
実際の申込登録期間は7月13日〜20日で、反応の強さから第1期で全戸供給となり、予想通り全戸即日完売、しかも申込後1件のキャンセルもありませんでした。来場総数は約650組と、総戸数71戸に対してそれほど多くありませんが、申込総数は152件ですから、来場総数に対する申込割合は23.3%と、通常は10%いけばよいと言われる申込確率が格段に高くなっています。ちなみに最高倍率は8倍です。
申込者の属性は、平均43歳(20代6%、30代43%、40代30%、50代10%、60代8%、70代1%、80代2%)で最多年齢層は30代、家族数は平均2.1人、職業は会社員70%、経営者4%、会社役員4%となっていますので、購入者の主流イメージ像は、30〜40歳代のDINKSということでしょうか。
本物件の概要は、間取り1LDK〜3LDK、専有面積38.49平米〜89.11平米に対し、販売価格は2,990万円〜9,790万円で、最多価格帯は5,700・6,400・6,600万円台(各4戸)、平均坪単価は304万円〜305万円程度とされています。標準相場をごくおおまかに試算すると、322万円[目白坪単価]×0.988[駅距離補正]×1.004[地価上昇補正]=坪単価319万円で、5%程度割安との試算結果です。
本マンションの最大の課題は、敷地北側の約半分が都市計画道路にかかっており、この実施が決定された場合には、これらが削られてしまうということですが、その分の売却代金が居住者ないし管理組合に入ってくることとなるため、実施後に既存不適格建物となるかもしれないというリスクも含めて、これをプラスととらえるかマイナスととらえるかでネット上の掲示板でも議論がありましたが、結果的にはこれも販売促進の要素になったのかもしれません。
本物件に関し、三井不動産レジデンシャルでは昨年8月20日に上記でご紹介した内容の即日完売のプレスリリースを発出しています。即日完売の解釈を厳格に契約行為まで含める同社ではこの類のプレスリリースが出るのは珍しいそうで、本物件の成功はマンション販売最大手の同社にとっても快心の出来事だったようです。完売おめでとうございます。
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